「最近後追いしてくる子どもがいて対応に悩んでいる」「他の先生の手前、関わりを減らしたほうがいいのだろうけど突き放すことはできない・・・」
と悩んでいる保育士さんへ。
突然始まる子どもの後追い。
少しでも顔が見えなくなると大泣きしてしまうので、ずーっとその子にかかりきりで他の子のお世話に支障が出てしまうこともありますよね。
また、他の先生の視線が気になったり、「あなたの対応がよくない」なんて言葉をかけられてしまうと自信もどんどん無くなってしまいます。
そんなお悩みを解決すべく、この記事を執筆しました。
この記事を書いている私も保育士1年目の頃、後追いされて悩んだ一人です(笑)
この記事では、0歳児(乳幼児)が後追いする理由やその効果的な対応法を紹介します。
記事を読み終えると、後追いで悩んでいた気持ちがスッキリと解消され、また明日からちょっとだけ頑張ってみようという気力が生まれるはずです。
保育士を0歳児が後追いするのってなんで?
0歳児(乳幼児)が保育士を後追いする理由は次の3つです。
- 自分で動けるようになるから
- 好き嫌いや安心できる存在が理解できるようになるから
- 物理的な距離に不安を感じるから
それぞれ詳しく解説します!
自分で動けるようになるから
0歳後半頃になると、ハイハイを獲得し自分で動けるようになるからです。
0歳前半~中頃は、「ミルクを飲みたい」「養育者の顔を見て安心したい」など泣くことで要求を訴えます。
ハイハイで後追いをするということは、身体がしっかりと成長しているということの証ともいえます。
ハイハイができるようになりたての子どもが追いかけてくる姿はなんとも可愛らしいですよね。
仕事は忙しいものの、この姿を見ているとなんだかほっこりして頑張ろう!という気持ちがわいてくるものです。
好き嫌いや安心できる存在が理解できるようになるから
生後半年頃を過ぎると、視野もだんだんはっきりとしてきて、記憶力もついてくるため、好き嫌いや安心できる人の顔の区別ができるようになります。
保育士を後追いするのは、「安心できる存在だ」と認識しているからです。
物理的な距離に不安を感じるから
赤ちゃんは、ハイハイや歩行などで自分で動けるようになると、自分と人は別の存在だということが分かってきます。
安心できる存在から離れる不安(分離不安といいます)は、小さな赤ちゃんにとって大人が想像するより大きなものです。
その不安を解消するために後追いという行動を取ります。
一過性のものであり、多くの子どもが通る道で決して珍しいものではありません。
0歳児の後追いはいつから始まる?どれくらいで無くなる?
後追いは生後8か月頃から激しくなり、生後9カ月から1歳頃にピークを迎えると言われています。
いつまで続くかは、個人差が激しいですが、多くの赤ちゃんは1歳半頃から2歳、3歳頃までには落ち着くことが多いです。
2~3歳頃になるとおもちゃや絵本など興味の対象がどんどん広がっていくことや、これまでの経験から保育者が側を離れてもまた戻って来ることが分かってくるため、次第に後追いが減少していきます。
後追いが激しくて、トイレ休憩や食事を摂ることもままならず、困った経験が私にもあります。
子どもが成長している証でもあるので、ゆっくり見守りたいですね。
保育士の0歳児の後追いへの対応法3つ
次に、保育士の0歳児の後追いへの対応法3つをお伝えします。
- その場を離れるときは、一言声をかける
- 他のことへ意識を向かせる
- 思いっきりスキンシップをする
それぞれ詳しく解説します。
その場を離れるときは一言声をかける
後追いは赤ちゃんの不安な気持ちから起こる行動です。
その場を離れる時には、「ちょっと離れるね」「またすぐに戻って来るよ」などいきなり離れるのではなく、一言声をかけてからにしましょう。
【私の対応法】
私は、目の届く範囲であれば「ここにいるからね」「また来るから大丈夫だよ」とこまめに声をかけることを意識しつつ、赤ちゃんの側に戻った時には、「ただいま」「戻ってきたよ」と声をかけ、体をそっとさわってあげたり歌を歌いながらマッサージをしたりしながらスキンシップを図りました。
安心できる存在との物理的な距離ができても、また戻ってきてくれるという経験が積み重なることで、赤ちゃんの安心感につながります。
他のことへ意識を向かせる
音の鳴るおもちゃや絵本など興味の対象を自分ではなく、他のことへ向かせるのもおすすめの対処法です。
「自分でないと泣き止まない」「他の保育士より自分が関わったほうか上手くいく」などついつい思ってしまいがちですが・・・
子どもが求めるままに手を差しだしてしまうと、「泣くと要求を満たしてくれる存在」と誤認識され、後追いが余計に激しくなってしまう場合も。
子どもを可愛く思う気持ち、手を差し出してあげたい気持ちは痛いほど分かります・・・
【私の対応法】
赤ちゃんの視界に入る場所で、聞こえるようにゆっくりと歌を歌いながら他の子のお世話をしたり、他の作業をしたりしていました。
はじめのうちは泣いてしまうものの、繰り返すことで慣れたようで次第に離れても泣かずに待てるようになりました。
思いっきりスキンシップをする
赤ちゃんは不安を解消するために後追いをします。
そのため、無理やり離れたり突き放すことはおすすめできません。
離れようとすればするほど、後追いが激しくなる場合も。
「ずっと一緒にいるよ」「安心して大丈夫だよ」という気持ちを伝えるためにも、なるべく一緒に過ごし、たくさんスキンシップを取りましょう。
スキンシップが図れる、ふれあい体操などを遊びに取り入れるのもおすすめです。
保育士を後追いする子どもを保育する際の注意点
後追いは、個人差がありますが、子どもの成長過程においてよく見られます。
後追いする子どもを保育する際の注意点をお伝えしますね。
- 安全に十分配慮する
- 他の保育士や保護者への配慮を忘れない
- なぜ後追いするのか、子どもの気持ちをよく考えてみる
それぞれ詳しく解説します。
安全に十分配慮する
赤ちゃんは後追いに夢中のため、周囲の状況を見ることなく、保育者の後を一生懸命追います。
ハイハイや歩行が安定しない状態での後追いは、床に落ちているものを踏んでしまうことや、転倒の危険性もあるため保育室内の安全に十分配慮しましょう。
赤ちゃんから離れる際には、急に離れるのではなく一言声をかけてからゆっくりとその場を後にすることで心の準備をさせてあげるのもおすすめです。
他の保育士や保護者への配慮を忘れない
「自分でなければだめだ」「他の保育士より自分のほうが好かれている」などという気持ちを持ってしまうと、保育士間でのトラブルに繋がりかねません。
また、保護者に対して「今日も後追いしてきて・・・」と嬉しそうに話してしまうと、保護者は「自分の愛情が不足しているのでは?」という気持ちになってしまう場合もあります。
「〇〇先生といると〇〇ちゃんは笑顔がたくさん出てます」「お母さん(お父さん)の顔を見るとやっぱり安心した表情をしますね」など相手に配慮する言葉かけを忘れないようにしましょう。
なぜ後追いをするのか子どもの気持ちを考えてみる
あまりにも後追いが激しく、食事やトイレの時間もままならず、おまけに他の保育士からの視線も気になって・・・と赤ちゃんに対して少しだけイライラとした気持ちや負の感情を抱いていませんか?
毎日必死で余裕が無くなってしまう気持ちも分かります・・・
そんな時は、もう一度赤ちゃんがなぜ後追いをするのかを考えてみましょう。
赤ちゃんは不安な気持ちを解消するために、あなたの後ろを追っているだけ。
強く叱ったり、冷たくあしらったりするのは絶対にNGです。
赤ちゃんの気持ちを考え、スキンシップやコミュニケーションを積極的に図っていきましょう。
【保育士の悩み】0歳児の後追いに関するよくある質問
最後に、0歳児の後追いに関するよくある質問にお答えします。
後追いされるのは悪いことなの?
悪いことではありません。
赤ちゃんがあなたのことを「安心できる対象だ」と感じているからこそ、後追いが起こります。
ただ、保育士は複数の子どものお世話をする必要があるため、その子にかかりっきりになるわけにはいきません。
たくさんスキンシップを図りつつも、他の遊びや保育士へ興味を向けられるような声掛けを行いましょう。
保育士同士の連携がうまくいっていない園である場合は、他の先生から「あなたの対応が甘いからだ」や「もっと厳しくしなきゃ」など批難を受けるケースも。
大好きな保育の仕事を嫌いになっては元も子もありません。
いち早い転園をおすすめします。
抱っこしすぎたらよくないの?
特に新しく入園して来た子どもは、親から離れる不安や環境が変わったことへの不安からずっと泣き続けることが多いため、ひたすら抱っこする・・・という日々が続きます。
不安を取り除いてあげるという意味で抱っこは必要なことだと思います。
抱っこしてスキンシップを図り、不安を取り除いていったうえで、その後は楽しい遊びに目を向けられるよう環境を設定してあげることが大切です。
抱っこから徐々に膝の上に乗せてあげて、一緒に遊びを楽しむことで、子どもの興味の幅を広げるサポートをしましょう。
まとめ:【保育士の悩み】0歳児が後追いする理由や効果的な関わり方を徹底解説!
この記事では、0歳児(乳幼児)が後追いする理由やその効果的な関わり方を徹底解説しました。
ハイハイで一生懸命保育士を追いかける姿にかわいらしさを感じる一方で、気持ちに余裕が無くなってしまうことも。
成長過程において一過性のもので、ずーっと続くわけではないため、「今の子どもの姿」をよく目に焼き付け、気持ちに寄り添った支援を行いたいものです。
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