お子さんの小学校入学を前に、「就学相談では何を見られるのだろう?」と不安に感じる保護者は多いです。
就学相談は受験のように合否を決める場ではなく、お子さんが安心して学校生活に入れるよう、得意なことやサポートが必要なことを整理する機会です。
ここでは、実際に就学相談で確認される内容を、保護者向けにわかりやすく解説します。
就学相談の流れについては、こちらの記事でまとめています。
就学相談で確認される内容とは?合否ではなくお子さんに合った学びの場を見極める

就学相談は「できる・できない」を競う場ではありません。
教育委員会や特別支援教育担当者が、保護者の話や子どもの様子をもとに、どの学級で学ぶのが適しているかを提案する機会です。

就学相談は試験ではなく、“子どもに合った学びの場”を探すための機会です。

困りごとを隠さずに伝えることが、安心して入学するための第一歩になります。
参考:文部科学省「就学相談・就学先決定の在り方について」
就学相談の内容を4つの視点でチェック

就学相談では、次の4つの視点から子どもの様子を確認します。
- 学習の基礎スキル
- 集中力や行動面
- 対人関係スキルや集団適応力
- 生活スキル
学習の基礎スキル
学力テストのように点数で評価するわけではありませんが、小学校で学ぶ準備ができているかは大切なポイントです。
小学校で学ぶ準備として、文字や数字に触れた経験や遊びの中での取り組みを通して理解度が確認されます。
- 名前や身近な文字を認識できるか
- 簡単な数や形の理解度
- 鉛筆の持ち方や手先の使い方
- なぞり書きや描画など課題への取り組み

できる・できないだけでなく、どのくらいサポートがあれば学習できるかを確認する場です。

鉛筆の持ち方や姿勢も授業参加の土台になります。
集中力や行動面
授業は一定時間まとまって進むため、座って課題に取り組む力や切り替えの力が求められます。
普段の遊びや活動に取り組む様子からも、これらの力を確認できます。
- 座って活動できる時間の長さ
- 声かけで気持ちを切り替えられるか
- 順番を待つ、ルールを守る行動
- 集団活動への参加姿勢

切り替えが難しくても、どの程度サポートがあれば対応できるかを見ます。
対人関係スキルや集団適応力
友達や先生との関わり、集団での適応力は、学習と同じくらい重要です。
就学相談では下記のようにチェックされます。
就学相談当日の会場での大人とのやり取り、園や遊びの中での関わり方を観察しながら、どのくらい支援があると安心して参加できるかを見ます。
一対一のやりとり
- 名前を呼ばれたときの反応
- 簡単な指示に従えるか
- 表情や反応の自然さ
模擬的な集団活動
- 他の子どもと一緒に歌やゲームを体験
- 順番を待てるか、並ぶことができるか
- 活動に参加できるか

自治体によっては、その日相談に来ている子どもたちを集団にして適応力を見る場合があります♪
園での観察
- 自由遊びでの友達との関わり
- 集団活動でのルール理解
- トラブルへの対応

子どもの生活の場(保育施設等)に教育委員会の専門員が出向き、様子を観察します。
保護者・園からの情報提供
- 普段の遊び方や集団での様子
- 困難な場面や得意な場面
- 家庭でのサポート状況

集団適応は、“友達と仲良く遊べるか”だけでなく、“どのくらい支援があれば安心して参加できるか”を確認することが目的です。
生活スキル
特に3大生活スキルといわれる、「排泄」「着替え」「食事」は必ず質問があります。
身の回りの準備や安全への意識など、日常の中で体験していることから判断されます。
- 着替えや持ち物整理ができるか
- トイレの自立度
- 給食やお弁当の流れに参加できるか
- 道具の使い方や安全への配慮

家庭と学校が連携してサポートできる部分も把握します。
就学相談の内容を家庭でも整理しておくと安心

就学相談は、子どもに合った学びの場を一緒に考える大切な機会です。
事前に家庭でも子どもの様子を整理しておくと、当日の説明がスムーズになり、安心して相談に臨めます。
・日常の中での子どもの行動や得意・苦手をメモしておく
例:文字や数字に触れることが好き、順番を待つのが少し苦手、友達と遊ぶときは積極的など
・園や習い事での様子もまとめておく
例:集団での活動の反応、好きな活動や困る場面
・学習や生活スキルの取り組み状況を整理
例:着替えや身支度の自立度、鉛筆や道具の使い方、簡単な計算や読み書きの経験
・相談で聞きたいことや確認したいことをあらかじめリスト化
例:特別支援学級と支援学校の違い、学校での支援方法、通級の可能性など

子どもの強みを伝えることが、学校での支援計画作りに役立ちます。
まとめ:就学相談で確認される内容とは?就学相談が不安な保護者に向けて解説!
就学相談で確認されるのは、学力だけではなく、小学校生活に向けた準備がどれほどととのっているかです。
学習・行動・対人関係・生活スキルを幅広く見て、どの学級が子どもに合っているかを判断する材料になります。
事前に子どもの強みや課題を整理して臨むことで、安心して相談に参加でき、学校での支援計画も立てやすくなります。
就学相談は、お子さんに合った学びの場を一緒に考える大切な第一歩です。
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