「保育士なんだけど、連絡帳の書き方で困っている」「毎日の連絡帳を書く時間を少しでも短縮したいな」
こんなお悩みをお持ちではありませんか?
保育園の連絡帳は、保育士と保護者を繋ぐ大切なコミュニケーションツールです。
毎日のように連絡帳を記入していると、「綺麗な文章が書けない・・・」「保護者からのメッセージへ返信するのが難しい」「時間がかかりすぎてしまう・・・」こんなお悩みを抱えてしまうこともありますよね。
この記事で紹介する連絡帳の書き方のコツを実践すると、誰でも簡単に保護者に伝わりやすい連絡帳がかけるようになります。
昔から文章を書くことがニガテで、夏休みの作文は母に任せきりだった私でさえ、保護者に「分かりやすい」と褒められる連絡帳が書けるようになりました。
この記事では、連絡帳の書き方のコツや事例に合わせた例文まで詳しく解説します。
この記事を読み終えると、連絡帳の書き方に関する悩みがスッキリと解決し、分かりやすい連絡帳を書けるようになるはずです。
保育士が連絡帳の書き方で気を付けたいこと
始めに、保育士が連絡帳の書き方で気を付けたいこと4つをお伝えします。
連絡帳の書き方の基本姿勢です!保護者との思わぬトラブルを回避するためにも、しっかりと覚えておきましょう。
- 否定的な文章にならないようにする
- 具体的にイメージできる内容を書く
- 他の子の個人名は出さない
- くだけすぎはNG
それぞれ詳しく解説します。
否定的な文章にならないようにする
連絡帳に「~できませんでした」「~できていません」など否定的な文章を書くのは避けましょう。
保護者に不安を与えてしまうだけでなく、保育士もネガティブな気持ちになってしまいます。
ネガティブな言葉はポジティブな言葉に置き換えましょう。
また、出来ないことや苦手なことに挑戦する姿や諦めない姿などを前向きに捉え、保育士が感じた喜びと一緒に伝えましょう。
言い換えってなかなか難しいですよね。下記に言い換え参考例をまとめました!
【保育に役立つポジティブな言い換え】
- 行動が遅い⇒慎重・丁寧・こだわりがある
- おしゃべりが止まらない⇒お話が上手・社交的
- 落ち着きがない⇒好奇心旺盛・興味津々
- 自己主張が強い⇒自分の意見をしっかりもっている
- 飽きっぽい⇒いろいろなことに興味がある
実際に例文を紹介しますね♪
【例文】食事が上手く摂れない
昼食の際、お箸がまだまだ上手く使えないのに、「お箸」と言って譲らず、かなりこぼしてしまいました。
お箸を使いこなせるようになるには、まだしばらく時間がかかりそうです。
昼食の際、「お箸を使う!」と自分からお話してくれ、挑戦しました。まだまだこぼすこともありますが、お箸を使いたいという意欲を大切にし、見守っていきたいです。
お箸がまだまだ上手く使えないことは保護者も知っているはず。「お箸を使えない」という事実を伝えるのではなく、「自分で挑戦しようとした」という意欲を伝えましょう。
具体的にイメージできる内容を書く
連絡帳には、保護者もイメージしやすいよう具体的な内容を書くようにしましょう。
保護者はその日1日子どもがどう過ごしていたのか、お友達との関係性はどうなのか、先生の目はいきとどいているのか?を知りたいもの。
子ども1人1人に焦点を当てて、具体的なエピソードも交えて連絡帳を書くことで保護者に安心感を与えることができます。
どうしても、エピソードを掘り下げて書くのは難しく、出来事を時系列で並べて書きたくなることもありますよね・・・
私も連絡帳に慣れない頃は、「今日は〇〇をしました」「その後〇〇をしました」・・・のようなその日やったことをツラツラと並べるばかりでした。
他の保育士がどんなことを書いているのかを見たり、インターネットで参考例を眺めたりしたうえで、とにかく数をこなしていくうちに自分なりの連絡帳の型が見つかってきました♪
今日は今年初めてのお芋ほりをしました。
〇〇君は一人で長袖・長ズボンに着替え、畑でお芋ほりにチャレンジしました。
昨年のお芋ほりも覚えているようでした。
お芋ほりが終わった後は、泥んこ遊びをお友達と楽しむ姿がみられました。
〇〇君は、今年初めてのお芋ほりに朝からウキウキしている様子でした。
着替えは保育者が手伝うことなく一人で済ませることができました。
その姿を見ていて成長を感じました。
お芋のツルを小さな体で「よいしょ!」と一生懸命引っ張り収穫できると、とても満足そうな笑顔を見せてくれました。
その後は、お友達と一緒になって泥んこ遊び。土の中から虫を見つけると、「見てみて!」とキラキラした笑顔でお友達に報告する姿がみられました。
子どもの活動に対する意欲やその時の姿がイメージしやすいように記入しましょう。子どもが話してくれた言葉なども加えると、よりその時の雰囲気が伝わりやすくなります♪
他の子の個人名は出さない
子ども同士のトラブルやケガをさせた・させられたなどの報告で、子どもの個人名を書いてしまうと、保護者間でトラブルに発展する可能性も。
また、個人情報の観点から自分の子どもの名前が、他のお友達の連絡帳に記載されていることを不快に思う保護者もいます。
思わぬトラブルを避けるためにも、個人名の取り扱いには十分注意しましょう。
〇〇君と〇〇君と〇〇君は仲がよく一緒に遊びたい気持ちが強いのですが、お庭遊びの時にどの遊具で遊ぶかよくもめます。
今日は自分たちで話し合って、それぞれの遊びたい遊具で順番に遊ぶことに。相手のことを考えたり、相談したりする力がついてきているようです。
今日も〇〇君は仲良しのお友達二人と一緒にお庭遊びをしました。みんな遊びたい遊具がバラバラでどの遊具で遊ぶのかなかなか決まらず困っていました。すると〇〇君が「順番にしよう」と提案し、3人の遊びたい遊具をそれぞれ順に遊ぶことで問題解決。相手のことを考える姿に成長を感じました。
くだけすぎはNG
連絡帳は保育士と保護者が気持ちを伝えあう大切なツールです。
しかし、それと同時に公文書であり、子どもの成長の記録でもあります。
保護者に親しみをもって接することは良いことですが、くだけすぎてしまうと「この保育士さん大丈夫かしら・・・?」と不信感を与えかねません。
正しく丁寧な言葉で記載するよう心がけましょう。
個人的には、くだけた文章に加え、”くだけた文字”も気になります・・・
いわゆるギャル文字や極端な丸文字など。
さすがに明らかなギャル文字を連絡帳に書く保育士には出会ったことはありませんが、極端な丸文字や、ミミズ文字の保育士はいます。
「もうちょっと丁寧に書こうよ・・・」と心の中では思っていますが(笑)
私も字に特段自信があるわけではありませんが、保護者に不快感を抱かせないよう出来るだけ丁寧な字で書くことをいつも心掛けています♪
〇〇君は今日もめっちゃはりきって、プール遊びをしていました。
お友達と一緒にお水をかけあって、大はしゃぎ。
途中でお鼻に水が入ったと泣いちゃいましたけど、しばらく休んだら気持ちも落ち着いたようで、また水遊びを楽しんでいました。
今日も〇〇君ははりきって水遊びに取り組んでくれました。
お友達とお水をかけあって、「冷たいなー!」「きもちいい!」とニコニコ笑顔でおおはしゃぎ。
途中でお鼻に水が入ってしまったと涙がこぼれる場面もありましたが、しばらく休んだら「もう大丈夫!」と再び楽しそうにお水で遊んでいました。
保育士が連絡帳の文章を上手く書くためのコツ
次に、保育士が連絡帳の文章を上手く書くためのコツをお伝えします。
文章を書くの苦手だから助かる!
- 一文は短くまとめる
- 適度に読点を入れる
- こそあど言葉はなるべく使わない
- 接続詞を正しく活用する
- 「て・に・を・は」に注意する
一文は短くまとめる
一文がツラツラと長くなってしまうと、読み手は読みづらいため一文は短くまとめましょう。
さくら組は、クリスマスに向け飾り作りを始め、さっそく子どもたちははりきって取り組み、出来上がった順に飾りつけをしました。
クリスマスに向けて飾りつけを作っているのは分かるけど・・・何度か読み返さないと理解できない(泣)
NG例は、一文に「さくら組が飾りつけを作り始めた」という内容と「飾りを作って、飾った」という2つの内容が入っています。
一文に複数の内容が入ってしまうと、とても分かりづらい文章に。
一文には一内容を心掛けましょう!
さくら組は、クリスマスに向けて飾り作りを始めました。さっそく子どもたちははりきって取り組み、出来上がった順に飾りつけをしました。
適度に読点を入れる
文章を読みやすくするため、適度に読点(、)を入れましょう。
今日は入園後初のプールに入ることができてとてもうれしそうでした。
文章の切れ目が分かりづらくて、読みにくい・・・
意味が切れるところや、漢字やひらがなが続いて読みづらいところに、読点(、)を入れましょう!
今日は転園後、初めてプールに入ることができて、とてもうれしそうでした。
こそあど言葉はなるべく使わない
こそあど言葉とは「これ」「それ」「あれ」「どれ」「そこ」などの指示語のこと。
抽象的な表現であるため、使い過ぎると分かりにくくなります。
(例)NG
改札を出たら〇〇通りを右に進んでください。そこを100メートルほど歩くと、右手に白い5階建てのビルがあります。それを通り越したら左折してください。そこの右手の1軒目の建物が弊社です。
(例)GOOD
改札を出たら○○通りを右に進んでください。100メートルほど歩くと、右手に白い5階建てのビルがあります。ビルを通り越したら、左折してください。右手の1軒目の建物が弊社です。
文章がスッキリして分かりやすくなった!
こそあど言葉があると、文中の何を指しているのか確認するため前の文章に戻って読み返さなければいけない場合もあるため、読み手の大きな負担になります。
今日の遠足では、ゾウを見て大興奮な〇〇でした。そこは子どもにとってとても刺激的な場所だったようで、子どもたちもひとしきりそれのものまねをしていました。
そこ?それ?分かりづらい・・・
今日の遠足では、ゾウを見て大興奮な〇〇君でした。〇〇動物園はとても刺激的な場所だったようで、子どもたちもひとしきりゾウのものまねをしていました。
”そこ”⇒〇〇動物園、”それ”⇒ゾウに書き換えることで、分かりやい文章になりました!
接続詞を正しく活用する
接続詞とは、「しかし」や「それから」「それで」など文章と文章をつなぐ言葉のこと。
一般的な文章で接続詞を使い過ぎてしまうと、文章のつながりが悪くなり読みづらくなることも。
無くても意味の通じる接続詞は省いてしまいましょう。
(例)NG
このたび、この係の係長に任命されました。
そのため、営業目標を必ず達成させます。
しかし、命令ではありません。
したがって、この係を盛り上げたい人のみ一緒に頑張っていきましょう。
(例)GOOD
この係の係長に任命されました。
そのため、営業目標を必ず達成させます。
しかし、命令ではありません。
この係を盛り上げたい人のみ一緒に頑張っていきましょう。
「このたび」と「したがって」を省略。無くても意味が通じ、テンポの良い読みやすい文章になりました。
今日は、朝からお腹の調子が良くないとお話してくれました。午前中は元気にお庭遊びをしました。そして、昼食も完食でした。けれども、おやつの時間になると「もう食べない」と半分ほど残してしまいました。
今日は、朝からお腹の調子が良くないとお話してくれました。午前中は元気にお庭遊びをしました。昼食も完食でした。けれども、おやつの時間になると「もう食べない」と半分ほど残してしまいました。
【無くても意味の通じる接続詞】
- そして
- また
- さらに
- そこで
【残した方がいい接続詞】
- しかし
- ところが
- けれども
- にもかかわらず
「て・に・を・は」に注意する
「て・に・を・は」使い方ひとつで伝わるニュアンスや意味合いが変わってしまう場合があるため、使い方には注意しましょう。
例えば・・・
(例)A:コーヒーがいいです
B:コーヒーでいいです
飲み物を聞かれた際に、Bの受け答えをされるとなんだか投げやりな印象を受けてしまいます。
逆に、Aの受け答えだと「コーヒーが飲みたかったんです!」という気持ちが伝わり、印象も良いですよね。
連絡帳は文章のやり取りなので、表情が見えません。言葉一つで相手の印象をガラリと変えてしまうため、常に細心の注意をはらいましょう。
好奇心旺盛で評判な〇〇君。遊びの時間は分かり、1人で帽子をかぶって靴を履いて準備を整えることができました。
「で」を使うことで、”好奇心旺盛”であることがマイナスな印象に。
また、「は」を使うことで、〇〇ちゃんは遊びの時間しか分からないような言い回しになってしまいます・・・
好奇心旺盛と評判な〇〇君。遊びの時間が分かり、1人で帽子をかぶって靴を履いて準備を整えることができました。
【日常編】保育士が連絡帳の書き方で困らない!役立つ例文
始めに乳児向けの例文を紹介します!
「自分の力で食べる」気持ちを尊重し、園ではやや少なめに盛り付けをして、「完食できた」と達成感を味わえるようにしています。
周りのお友達を見ながら、真似して食べてみることもあります。
「〇〇君上手だね」と、私も一緒に楽しませてもらいました。
公園では、ダンゴムシがあちこちにいて、見つけては「いたー!」と指さして教えてくれました。今までは虫に触ることができなかった〇〇君ですが、今回は指先でちょんと触ることができました。
絵の具をつけて、紙に押してみると野菜によって形が違うということに気づいたようで、いろいろな野菜でスタンプを押して楽しんでいました。出来上がったものは、部屋に飾ってあるのでぜひご覧ください。
次は幼児向けの文例を紹介します。
「正しいよ。大丈夫だよ」と伝えると安心したようで、美味しそうにご飯を食べていました。
【依頼】保育士が連絡帳の書き方で困らない!役立つ例文
次は、保育士が保護者へ依頼するときの連絡帳の書き方の例文を紹介します!
保育園の連絡帳の文頭・文末に使える言い回し
文章の書き始めや、締めの言葉が思いつかない・・・と悩んでしまうこともありますよね。
ここでは、幅広く使える文頭・文末の言い回しを紹介します。
【文頭】
- いつもお世話になっています
- いつもありがとうございます
- ご連絡ありがとうございます
- いつもご協力ありがとうございます
- そうだったんですね
- さすが、〇〇君ですね
【文末】
- ~な〇〇君でした
- この先の成長がますます楽しみですね
- また明日もお待ちしています
- ~している姿に成長を感じました
- ~して楽しく過ごしていました
保育士必見!連絡帳に保護者から相談があった時の書き方
連絡帳で保護者から相談を受けることもありますよね。
私も上手い言い回しが思いつかず、お返事に困った経験があります。
ここでは、保護者からの相談に対する返信に使える文例を紹介します。
(例)保護者より
もうすぐ2歳になるのに、言葉があまり出ません。他の子はお話していると聞くので心配です。病院を受診したほうがいいでしょうか。
言葉の発達のこと気になりますよね。
園では「〇〇ほしい」「〇〇できた」など少しずつお話する様子がみられています。何かを伝えたい気持ちはとてもあるようです。
保育者からの声掛けも理解できていますし、お友達のおしゃべりもよく聞いています。今は言葉をたくさん聞いて、自分の中にためている時期かもしれません。
園でもよく見守っていきますので、不安なことがありましたらご相談ください。
最近、とにかく野菜を嫌がり食べません。特に生の野菜は嫌なようで、「一口食べよう」と声をかけても頑なに食べようとしません。栄養の偏りが心配です。
そうだったんですね。
園では周りの子どもが食べている姿を見て、一緒に食べる姿があります。全く食べられないわけではないと思うので、ご安心ください。
その日の気持ちや体調にもよるかと思います。無理して食べさせようとせず、楽しい雰囲気で食べられるよう声をかけていきます。
園では、細かくして他の食材と混ぜて形が見えないように工夫しています。
(例)保護者より
最近家では、思い通りにならないことがあるとすぐに妹を叩いてしまいます。
園でもお友達を叩いたり、物を投げたりしていないか不安です。
言葉で伝えることがまだまだ難しい時期ですので、もどかしい気持ちからつい手が出てしまうこともあります。トラブルに発展しないよう、園でもしっかり見守りを行います。
ご心配な気持ち、よくわかります。
園ではそのような様子はみられていません。思い通りにならなくても我慢をしたり、相手に譲ってあげたりする姿があります。園で頑張っている分、お家では気持ちを発散しているのかもしれませんね。
言葉で表現する力を少しずつ身につけていけるよう、園でも見守っていきます。
保育園の連絡帳の目的と役割
保育士と保護者を繋ぐ連絡帳。
連絡帳には次に目的や役割があります。
- 園と家庭との言葉のコミュニケーションツール
- 子どもの成長記録
連絡帳は、保護者の願いや思い、子どもの家庭での様子を知ることのできるツール。
子どもへの理解や保護者との信頼関係が深まり、保育がスムーズになります。
また、園での様子を連絡帳を通して伝えることで、保護者と一緒に子どもの成長の喜びを共有することができます。
園での取り組みや保育士がどのように援助したのか、対応方法も詳細に記すことで、保護者の子育てのサポートにもなりますよ。
保育士の連絡帳の書き方に関するよくある質問
最後に、保育士の連絡帳の書き方に関するよくある質問にお答えします。
ひどい連絡帳だと保護者に思われないようにするにはどうすればいい?
「〇〇ができていなかった」「今日も〇〇が難しかった」などマイナスな表現は避けましょう。
また、「家庭でもう少し〇〇してください」など上から目線な発言もNG。
読んでいて嬉しい・楽しい内容を記載するよう心がけましょう。
連絡帳の書き出しに使える文例がほしい!
【家庭であったエピソードに対して】
- 〇〇ちゃんの楽しそうな姿が目に浮かびます
- すごいですね!楽しい休日を過ごせたようでよかったです
【保護者の心配事に対して】
- お気持ち、よくわかります
- 〇〇について、心配ですよね
【園でのエピソードを伝える】
- 今日は~をして楽しみました
- ~遊びが大好きな〇〇ちゃん
【現役保育士が伝える】連絡帳の書き方でもう困らない!書き方のコツや文例を徹底解説!
この記事では、連絡帳の書き方のコツや事例に合わせた例文まで詳しく解説しました。
連絡帳は保育士と保護者を繋ぐ大切なツールです。
ポイントやコツを抑え、相手の立場に立って分かりやすく書くことを意識しましょう。
コメント